BACK


079:INSOMNIA



眠れない。
今日もまた。
夢の続きを・・・。

何で・・・ど・・・して・・・?


    □


「好きなの」
目の前には顔を真っ赤にしてうつむいた少女がいた。
「・・・」
笠井竹己は黙り込む。
沈黙に耐えられなくなったのか、少女はうつむいた顔を上げて竹己を見る。
「笠井君・・・?」
竹己の心は、揺れていた。
少女の気持ちに応えるか、報われない思いを背負って生きるか。
二つに一つだった。
「・・・付き合おうか」
ボソリとつぶやくように言う。
「・・・え?いいの?」
「うん」
「ホント?!」
少女の声が明るくなる。
その声につられて、逸らせていた視線を少女の顔にやる。
彼女は、隣のクラスの子だった。
飛び切りかわいいというわけでは無いけれど、まあ、かわいいという部類には入るだろう。
「じゃあ、今日一緒に帰ろ?」
「あ、でも俺・・・」
「うん知ってる。だから待ってる」
ため息を吐いて微笑んでやる。
「わかった。じゃあ、教室に迎えに行くよ。着替えてからだから少し遅くなるけど」
「いいよ。んじゃ放課後ね」
ニッコリする彼女は、あの人の笑顔を思い出させた。
胸が、痛い。
「笠井くん?」
顔を上げると、彼女は心配そうな顔をしていた。
「なに?」
「いや、お腹でも痛いのかなぁって」
「?」
「おでこにしわがよってたよ」
「なんでもないよ。大丈夫」
そう言うと、彼女は安心したようだった。
ニコリと笑う。
「教室に戻ろう」
彼女はそう言って戻りかけたが、俺が戻らないのを見て引き返してきた。
「笠井君は戻らないの?」
無垢な目がこっちに向けられる。
吸い込まれそうな目だと思った。
「俺は後から戻るよ」
苦笑をしてそういった。
「先に戻っていいよ」
なかなか戻ろうとしない彼女にそういうと、彼女はわかったといって戻っていった。
ぱたん。
屋上の扉が閉まるのを見届けて、俺はため息を吐く。
ふう。
フェンスにもたれる。
青空がまぶしい。
「あち・・・」

あなたは、何をしていますか?

『あなたが、好きです』
俺の一言で始まって、あなたの一言で終わった、初恋。
あの日から俺は眠れぬ日を過ごしている。
あなたは、いともたやすく俺を呪縛にかけてしまう。
俺の赤い糸の先にいたのはあなたじゃなかったんですか?
あなたは、どうして心変わりしてしまったんですか?
あなたとさぼった屋上。
俺は、あなたの思い出にすがって生きている。

水の入ったタンクの裏まで歩く。
ここなら誰にもばれない。
座り込む。
本鈴のなる音が聞こえて、ざわざわしていた周囲が、しんとする。
頭上には、青空。



――――――――――コメント。

ななんか、不完全燃焼っぽい。
相変わらず文才無いなぁ。
あ〜あ。
今度、100Qじゃない小説書いた時に続き書こう。


20030724 up。

…続きは「〜U」へどうぞ。



BACK



SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送