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001:クレヨン






綺麗な手だなぁ、と思う。
爪がつやつやしていて、綺麗だ。

大きな手。
長い指。
綺麗な爪。

クレヨンみたい。

「はー―――・・・」
ため息を吐く俺、笠井竹己。
隣りには三上先輩。
コツッ。
「いてっ」
頭をコツかれて、俺は叫ぶ。
「何するんですかぁ」
痛いなーもぉ、という俺を尻目に、先輩は依然ノートパソコンに向かったまんま。
「・・・なに見てんだよ」
「画面は見てないですけど」
「それは知ってる」
知ってるけど何処を見ているのかわからないらしい。
・・・先輩の手です。
・・・なんていえない俺は沈黙する。
そして、キーボードの上に乗せられた先輩の手を見つめる。
綺麗な手だなー・・・。
クレヨンみたい。
先輩の手が止まる。
「どうしたんですか?」
「・・・クレヨン?」
先輩が聞く。
「え?え??ななななんでそれ知って・・・」
「――俺の手がクレヨンですか」
ゆらりと揺れる先輩。
俺は床に視線を落とす。
だって綺麗なんだもん。
「・・・あのな、さっきから聞こえてる」
「え??」
・・・どうやら聞こえていたらしい。
ふと、手にぬくもりを感じた。
俺の手の上に重ねられた先輩の手。
相変わらずクレヨンみたいだと思いながら、先輩の顔を見る。
「竹己の手だって綺麗だよ」
耳元で囁かれるちょっと低めの声。
かぁ。
俺は、赤くなる。
耳まで、赤くなる。
ちょっと幸せ。
「今度ピアノ弾いて」
この言葉でもっと幸せになる。
きっと、おれは、世界一幸せ者に違いない。



―――――――――――コメント。
う〜〜ん。。
下手だなぁ。
文才が欲しいよぉ(><)。
誰か、私に文才を下さい。


20030724 up。

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